こんにちは。カストリです。
皆さんは舞台を見にいかれたことはありますか?
僕は生まれてこの方、舞台はおろかサーカスや所謂ショーなどを見たことがありませんでした。これではかっこいい大人にはなれない、舞台の一つや二つは語れる文化人っぽさ醸し出したい!と言うことで見てきました。
舞台
『命知らず』
演出・作 岩松了
出演 勝地涼 ロク
仲野大賀 シド
椎名基浩 トンビ
光石研 モオリ
岩松了 安西
初の舞台にしてはおそらくマニアックな作品だったかもしれません。劇団四季やライオンキングなど定番を遥か追い越して、いきなりこの舞台だったので正直面喰らいました。
一応あらすじを書きます。
ロクとシドはある施設の門番をしている。この施設では死んだ人間が生き返らされる死者蘇生実験が行われていると、門番の先輩モオリが騒ぎ立てる。そこにトンビと言う新入りが入ってきて・・・
あらすじはこの様な感じで、あらすじだけ見ても良く分からないし、実際に見ても僕は深く理解はできていないです。しかし、この作品の特徴状いろんな解釈ができる含みを持たせているのは間違いありません。実際に物語の中のセリフでも、あっちの世界の話はこっちの世界とは関係ない、や、多角的になど、人の数だけ解釈があると表現していました。つまり話に追い付けていなかった僕でも思ったことを書き連ねる資格があると言う事。YES。
以下ネタバレありです。
順当にこの作品を解釈していくと、この施設の死者蘇生実験が本当であり、そこに片足突っ込んでいった人物が次々と失踪、いなくなっていると言うのが基本的な考え方かもしれません。
物語の途中から入ってくるトンビなんかはまさにそうで、登場してから施設の闇を知りいなくなった後に、施設からトンビは無事だと言う絵葉書が届く。このことから何かしら施設の闇を知ってしまい・・・な感じだと思います。ただこの解釈は一般的なサスペンス、エンターテイメントとして楽しめる様に作られたもの、この作品は見た後にああでもない、こうでもないと、何度でも噛み締めて味わえる様にできています。
今のが一つの解釈として、二つ目。
シックスセンス的なこと。物語中盤でモオリさんがやたらとスコップを怖がったり、ラストシーンではシドの声がラジカセに入っていなかったり、物語には確実に登場していたけど本当に生きている人間かは怪しい描写がいくつかありました。もっと深掘りすると最初は生きていて、どこかのタイミングで死ぬor殺害されている。このタイミングはおそらく劇中で起こる『風の音』だと思います。風の音の後の登場人物のセリフはどこかあやふやで支離滅裂、もともと難しい言い回しだったり、言葉を使うのですが、風の音以降は明らかに矛盾していることを言ったりしているのです。物語の進行とともに登場人物が死に、霊となって登場しているシックスセンスパターン。これはおそらく半分ぐらいは合っていそうです、サラッと見てもこの感じは伝わると思います。
ですが、もう一つ深掘りしようじゃないか。ここからは僕が最終的にこうじゃないかと納得した結論です。
ロク殺人鬼説。説明していきます。
ロクは物語でこんな話をします
『昔遊んだ遊び、ハンガー吊るし。木にハンガーにかけた制服を吊るして、まだ学生なのに人生を終えたかの様な話をする遊び覚えてる?』
つまり、やってもない事を人生の最後に語り合うように話すと言うなんとも不気味な遊び、それをシド曰くロクは笑ってやっていたらしい。親友のシドはこの遊びが不気味で若干トラウマ。まぁ普通の人ならこんな遊び思いつきませんよね、命を粗末にするなって怒られちゃいます。
他にもロクには気になるセリフがあります。死者姿勢実験に対してモオリさんが不満を垂れている時に言ったセリフ。
『仮に死者蘇生実験がされていたとして、それは悪いことなの?生き返って誰かが喜ぶなら良いことじゃない』
他にもモオリさんに手をあげたり、激情して本を叩きつけ口論したり。ロクとシドの学生時代のもう一人の親友の死因を聞かれても、人によって答えを変えたり。
おやおやロクなんだかおかしいぞ、人間としての基礎がづれている様な、所謂サイコパスの様な。
ここでタイトルに戻ります。
『命知らず』意味合い的には命を顧みずに行動することですね、でも、これでどうでしょうか?
『命、知らず』命を知らない、命の価値、命の尊さを知らない人と解釈すると。
ロク、君のことかもしれない。
結論から言います。
この施設は、殺人鬼やなんらかの精神病患者を更生させるための施設ではないでしょうか。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
最後は飛躍しましたが、タイトル伏線回収は良い線言ってる気がします。でも、一人一人解釈があってどれが正解とかもなく、見た後にこんなに考察できる物語は最高に面白いです。
初舞台でしたが、最高の思い出になりました。
『あと生の演技ってやっぱすごい』