今日僕は告白する。
あと数歩前へ出れば、全校生徒が見える。この足の震えは屋上から見える景色が怖いわけではない、思いを告げる怖さだ。
後ろを振り向くとV6岡田くんが深く頷いてくれた。よし。行くぞ。
カストリ「僕にはーーーーー!!!!
好きな人がいます!!!!」
どよめく、全校生徒。
今一度振り向くと岡田くんは僕のことを真っ直ぐに見つめていた。心強い、これがアイドルの力か。背中を押され続ける。
カストリ「2年4組のーーーーーー!!!
芦田愛菜さん!!!!
ずっと好きでしたーーーーー!!!!
僕とーーー付き合ってください!!!!」
いったぞ。僕は言ったぞ。
高鳴る鼓動、米粒のように見える全校生徒の中からもはっきりと君が見える。
胸ツーっと汗が通る。
芦田愛菜「ごめんなさいーーーーーー
私には好きな人がいるのーーーーー
3年5組の◯◯◯さんーーーーーー
好きですーーーー!!!!」
足が震える。
これは、屋上が怖いからではない。なんでか分からない。
下から声が聞こえるが何を言っているのか全く理解ができない。
僕は踵を返し走り出した。
瞬間、分厚い何かにぶつかる。
暖かい、人の温もりだ。
カストリ「馬鹿みたいです。自分だけで盛り上がって」
岡田「そうだよ。馬鹿だよ」
岡田くんの腕はバッキバッキに分厚くて、その腕はさらに僕をぶっとい胸に押し付けた。
あったけぇや。
『この番組すきやったなぁ』