［無理由］泣きたくなる場所

泣きたくなる。時折なんの予兆もなく泣きたくなる。そんな時がある。そんな時は決まっていつも同じ場所だったりする。旅先の露天風呂、なか卯の券売機の前、なんにもない休みの4時、あったかくしてあるホテルの部屋。他にもあるけど、こんなところか。なんでなんだろうか？無闇に胸から何かが競り上がってくるのがわかる。漫画の表現の「スッ」って感じで、僕の真後ろに孤独が、侘しさが、迫ってくる。そんな時は決まっていつも一人の時。誰かといればそんなことにはならない。やっぱり寂しいのだろうか。心細さみたいなものを感じないように、気丈に振る舞う自分にまた虚しくなる。なか卯の券売機の前で。なか卯の牛丼を大盛りにする。券売機から券が出てくる。

「助けてくださーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい！！！！！！！！！！！！！！！！！！」

叫びたくなる。叫んで良いだろうか？ほんとに胸に競り上がったものを吐き出しても良いだろうか？きっとダメなんですよね。知ってた。知ってたけど。もし、もし、ほんとにどうにもならなくなったら言わせて欲しい。号泣しながら、なか卯の大盛り牛丼の券を持ちながら、「助けてぇぇぇ！！！！」って。許して欲しい。もし、できるなら一緒に泣いて欲しい。助けてくれなくてもいいから一緒に泣いて欲しい。それだけできっと救われる人もいるってことを覚えておいて欲しい。そして、誰かがなか卯の券売機の前で泣いていたら僕は一緒に泣いてあげたい。小一時間泣いてあげたい。店員さんもきっと泣いてくれる。カウンターで親子丼食ってるおっさんもきっと泣いてくれる。キッチンの若いバイトくんもきっと涙を流しながら牛丼作ってくれる。そうしていつもよりしょっぱいなか卯の牛丼一緒に食べようや。そんで、最後にあったかいお茶飲んだらきっともう大丈夫だから。心配しなくて良いから。なか卯の券売機の前で泣いたっていいから。なんとか生きようや。

そんな人間になりたいなと思う。