こんにちは。カストリです。
家の中に羽虫がいます。
今も僕の隣でぐるぐると旋回中。
どこから来るのか、追ってみてよくよく見てみると換気扇の下に沢山死骸がある。僕は何故か換気扇を常時つけっぱなしにしている。部屋は換気したほうがいいとどこかの誰かが言っていたのをよく覚えているからだ。そのほうが害虫の侵入も防げて空気も入れ替えることができる、いいことづくめ。でも羽虫がどうやらここから侵入しているらしい。高回転で回っているファンをくぐり抜けて、選りすぐりの羽虫が我が家に。エリート羽虫。
鬱陶しい羽虫も、たくさんの死骸をみるとなんだか違って見えてくる。プライベートライアンの湾岸線をくぐり抜けた兵士のように逞しくもある。そんなに頑張って入ってきて我が家に何があるのだろうか。どうやら蚊ではなく血を吸う訳ではないようだし、食料もないだろう。意味もなくただ電気がついているから入ってきたのか、その流されるような、意思がないようなそんな生き方にどこか親近感さえ湧く。
隣で力なく回っているこの羽虫はいったいなんなのか疑問だが、なんだか嫌いにはなれない。命を賭してファンを潜り抜けても何もなく、力尽きるばっかりの羽虫。でも、悪口を言うわけでもなく、嘆くわけでもなく、まぁそんなもんかと受け入れているようにも見える。小さい体に大きな心を見たような気がした。きっと人間だったら友達になれたような気がする。
『なんの話？』
